CAFE COMPANY

新免唯智

MID CARRER

新免唯智

中途

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惹かれたのは、カフェの自由度の高さ

"カフェの料理に興味はない"これは入社時、面接で僕が言った言葉。というのも、それまで働いていた店は「ジョエル・ロブション」。フランスで修行した経験もあり、レストランの食事こそが正解だと思っていました。そんな僕がカフェで働き、いまではどっぷりはまっている理由。それは、カフェの自由度の高さに惹かれたからです。きっかけとなったのは渋谷にあった「SUS」。奥さんがアルバイトをしていた店でした。とにかく楽しそうに仕事をしている様子が気になって、ある日迎えがてら店に入ってみたんです。すると、"いらっしゃいませ"ではなく、"こんばんは"と出迎えられて。あまりのフラットさにびっくりしましたね。レストランではありえないことですから。ちょっとしたカルチャーショックを受けつつ、期待せずにオーダーしたスパムライスが想像以上においしくて。それから何度か通っているうちにカフェの良さがわかるようになりました。高級レストランでの食事は1回数万円というのは当たり前。じゃぁ、年に何回利用する?と考えたとき、何度も通ってもらえるカフェってありなんじゃないかなって思ったんです。"カフェの料理に興味はない"と言ったのは、それ以上にカフェのオペレーションが知りたいと思ったから。レストランに比べて厨房も小さいし、調理スタッフも少ない。その上でクオリティの高い料理をどうやったら出せるのか。アルバイトとして入った 「WIRED TOKYO」の厨房に立つことで、いろんなことを学びました。例えばランチタイム。カフェは休憩1時間で食の欲求を満たせる場所であることを知りました。半年後、社員に登用され、丸の内の新店舗立ち上げに携わることに。ランチメニューを自分で考え、お客様にお出しする。料理の各工程に専任のスタッフがいた、かつての店では自分でメニューを考えるなんて20年かかっても実現できたかどうか。"自分がやりたかったのはこれだ!"と確信しました。

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人を育てるということは、自分が吸収したことを誰かに伝えること

レストランを否定するのではなく、僕が実践したのはレストランのオペレーションをカフェに落とし込むこと。レストランではどんなにオーダーがたまっていても料理をまとめて作ることはありません。カフェではパスタ10、タコライス10なんていうオーダーは当たり前。そんなときは"あきらめろ"とよくスタッフに言いました。大切なのはみんなのスキルを理解し、厨房を回すこと。ホールスタッフも含めチーム力を高めることを徹底しました。とはいえ、当時の僕はよく怒っていました。お客さんに迷惑をかけることがとにかく嫌だったんです。"カフェの料理には興味ない"なんて言っておきながら、人に怒れるってことはそれだけ真剣だったんだと思います。嬉しかったのは、どんなに厳しいことを言っても辞めるスタッフがいなかったこと。5〜6年調理長を務め、スタッフのマネージメントをすることで人の人生を預かっている感覚が強くなっていきました。一緒に働くからにはずっと食に携わってほしい。人を育てるということは自分が吸収したことを誰かに伝えること。その連鎖でその人の人生が良いものになってくれたら、こんなに嬉しいことはありません。 料理の腕は、いつでも伸ばすことができます。練習をすればするだけ腕も上がる。でも、料理に対する考え方や店づくりはスキルではありません。お客さんが来ることは当たり前じゃない、おいしい料理があるから来てくれるんだということを伝え続けました。

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人の生活に必ず必要な「食」を仕事にしている。それが飲食業の魅力

スタッフが育ち、仕事も順調だったはずなのに、悩む時期が1、2年ありました。人を育てることに注力するあまり、自分自身が成長していないことに焦りを感じていたのかも。一度リセットしたいという気持ちが強くなり、沖縄の「浮島ガーデン」の立ち上げに参加する機会をもらいました。沖縄での暮らしは新鮮でしたね。時間そのものがゆっくりだったし、はじめて取り扱うビーガンの食材も勉強になりました。その後、家族を沖縄に残し、月に1度の割合で沖縄を行き来する生活に限界を感じ、カフェ・カンパニーを退職する決心をしました。でも、沖縄でカフェを開いても立ち行かず、明日の仕入れができないギリギリの状態になったこともありました。いかに自分が恵まれた環境の中で料理を作っていたのかを身に染みて感じました。そんなとき、社長と常務に"これまで良好だった会社との関係性をいきなりシャットダウンするのはどうなんだ?"と言われて。フリーランスという位置付けで再びカフェ・カンパニーの一員に。仕事内容は力を入れたい店舗にスーパーバイザーという立場で関わること。現在はグループ会社である「スタイル・ディベロップ株式会社」の一員として、B to Bに特化した店舗の企画開発事業を担当しています。 飲食業の魅力は、人の生活に必ず必要な「食」を仕事にしていること。僕のテーマはとてもシンプルで、魅力的なお店を作りたい、会社の役に立ちたいという2つ。そうすることでお客さんも喜んでくれることをこれまでの経験で確信しています。会社が求めていることに応えること。つまり、僕にとってカフェ・カンパニーはクライアントでもあるんです。 今、やりたいのはクラインアントが求める料理を作ること。"おいしい"という感情がどこにはまるかを貪欲に追求していきたい。そのためには先入観を捨て、ニュートラルな状態でいることが大切。カフェって面白いですよ。過ごし方も食べる料理も自由。だからこそ難しく、チャレンジのしがいがあるのではないでしょうか。

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